2012年2月10日金曜日

禍福は糾(あざな)える縄のごとく

東大は受験するのも難しいようだ。何せ、身近にそんな存在もなく、今まで知る由もなかった。これを機会に色々と知ってみようと思う。
 東大クラスになるとダメもとで思い出受験なるものも多いようだ。実際僕も当時そうしてみるのも面白いな、と思ったりもした。僕の頃は共通一次の前年で、多分受けようと思えば東大も受験できたはずである。東大に落ちた、と言うさもしい自慢話、である。その対策で、あらかじめ受験生をふるいにかける、今ではセンター試験の成績で、難関校には「足切り」なるものが存在する。東大の場合900点満点で理科1類、2類、3類で足切り点が設定される。センター試験を自己採点し、大手予備校の足切り点予想を参考に志願先を決める。文系であれば東大→京大→一橋、理系で東大→京大→東工などと、志願校が変わる。大手予備校の足切り予想は適切か、マークミスは無いか、疑心は暗鬼を生ず、色々と選択ミスもある。
 つらい事には、例えば2月頭までに東大に願書を出す、足切り点をクリアすれば2月10日前後に受験票が届く。もしくは納めた受験料の払い戻しの書類が届くと言う事である。その時点で国公立前期試験は他どこも受けられない。では京大に、とはいかないのである。
 さらにつらい事には、2月10日過ぎの週から早稲田、慶応の受験が始まる。東大にふるいにかけられ失意のうちにその受験に臨むか、あるいは東大本試験の前哨戦として気合十分に望むか、運命は分かれる。そんなセンター試験の足切りに冷や冷やするようでは、そもそも東大には合格しない、と言う厳かな意見もある。
 東大の試験では、センター試験の900点満点を110点に圧縮して、本試験では国語80点、英語・数学・理科それぞれ120点、で440点、総合計550点満点で採点される。センター足切り楽々合格ライン例えば800点とする。冷や冷や突破ライン760点とする。この違いは本試験で110点に圧縮されると97.7点と92.8点、僅か5点ほどの違いにしかならない。いわゆる「二次力」と表現されるものである。
 禍福はあざなえる縄のごとく、すべては通過点ではある。一喜一憂し、心配するのは親だけか、子のメールの雰囲気は意外に平然としたものである。受験票、もう着いとるはずよ、連絡なかってことはダメやったかな、無知は心配を増幅させる。「受験票、来た」とさりげないメールが入る。

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