2013年2月9日土曜日

中央大学法学部の理念と打算

 簡単に九大に入った長男は簡単に九大を止め、浪人すればそれなりの努力で東大に入れるだろうと考えていたようで、まして、早慶など、落ちるわけがない、などとほざいていた。東大早慶の全落ちは相当に応えたようであった。いよいよ入試のシーズンを迎え、強気と弱気、高揚感と挫折感が周期的に入れ替わり、自らが選択した道とは言え、プレッシャーも相当なものであるようだ。3浪は有り得ない、それは経済的にも時間的にもそして精神的にもである。それを避けるために、今回は周到に準備をしなければならない。漸進:匍匐(ほふく)前進、である。少しずつ前に、橋頭堡を築いて、少しずつ前に。
 理想は、センター試験に圧倒的に勝利し、早稲田の文系センター利用を一つ確保することである。慶応はセンター利用入試の制度はなく、早稲田も理系にその制度はない。ただ私立の他大学と違ってセンター試験の翌日に願書提出ができる。しかし国語で思うように点数が伸びなかった長男は、早稲田のセンター利用を諦める事になった。早慶並みで他を探すとなれば中央大学の法学部、である。センター試験前に中央の法学部を出し、センター後に早稲田の学部を選んで、と目論んだのだが、結局、センター利用は中央大学だけとなった。
 早慶の理工もなかなかハードで、加えて東大理1となると、3浪の危険率は高まり、マインドが委縮し十分な力が発揮できないかもしれない。東大早慶の前に何としても安心材料が必要である。中央大学法学部、司法試験合格者で東大と激しくしのぎを削る名門大学、さすがに名門を維持し続ける確固たる戦略があるようだ。
 何とセンター利用で選ばれるにあたり、文系の法学部であるにもかかわらず、長男の場合、英語(200点)、国語(100点)、数学(100点)、物理(100点)、化学(100点)の選択(計600点満点)ができるのである。あえて社会科科目を入れる必要はない。早稲田のセンター利用と大きく科目が違う。長男の場合このチョイスならば9割近くの得点となる。かくして、合格となる。中央大学は理系文系問わず、難関国公立大学におしくも漏れた優秀な人材の受け皿となるとの作戦であるらしい。難関司法試験を勝ち抜くにあたっては、主に3科目の限られた入試の私立大学型秀才よりも幅広く科目を課せられる国立大学型の人材の方が対応力があり、さらに人間性が謙虚でまじめとの考えによるとの説もある。
 さらに入学手続きの締め切りが早慶の合格発表の前、また一般的には取り敢えず入学金だけを納めればよいものが中央大学の場合は半期の授業料も納めなければならない。当然入学しない場合は授業料は返ってくるのだが、難関国立大を第一志望とし、さして早慶ブランド信者でなければ、司法試験の実績の上からでも、中央大学を選ぶであろう。
 長男の場合理系であり、希望としては東大理1、慶応理工、早稲田理工となるのだが、ここで中央の法学部を決めた事は、精神的には大きな一歩である。どうにか3浪は免れた様である。

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