2015年4月2日木曜日

ちょっと政策④富の循環

 「入(い)るを図りて出(いず)るを制する」古代中国以来の財政の規律である。ただ国を豊かにする為には出る(輸出)を図りて入る(輸入)を制し、国内に富を蓄積するようにした方が良い。地域も同様に地域から資源や農水産物が出て、その代金が入る、あるいは原材料が入り加工され製品が出る、域外から観光客が入りサービスを消費するなどの構造があれば、地域は豊かになる。どのような構造になっているかは先般の産業連関表で具体的にわかるようになる。更に考えるべきことは、地域内に富が蓄積される、消費される、循環する形になっているかということである。
 企業活動は元より自衛隊や米軍の支出が市内に循環するように政策誘導することが必要である。市政としては当然にそうした事を手厚く行っています、と言う事になると思うが、実態としてどうなのか、そうした情報に接し、議論できる立場に着いたのちには、具体的に検証したいと思っている。例えば地域産品の利用、離島や商店街のプレミアム商品券も地域内に富が循環するための施策である。市の産業振興系の部署ではそうした事に取り組まれるが、他の部署において日常業務の中でできるだけ地域内からの調達を、とどれほどなっているのだろう。
 時に規模や効率を重視し小さな地域経済の循環を無視或は壊していないだろうか。国や大都市に向かって一極集中の弊害や地方分権などを主張しながら、佐世保市を国と擬似した時、周辺のより小さな経済循環に対して、同じようなことを行っていないだろうか。いわゆる経営体としての、経営者のグリップ力である。地方自治体は首長と議会の二元代表である。その一極として、グリップを効かせたいと思うのである。

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