2016年11月24日木曜日

「防災危機管理局の防災危機管理意識について問う」 9月議会一般質問


インターネット放送


 9月1日、総合防災訓練が大規模に開催をされました。防災体制の強化と市民の防災意識の高揚が開催目的となっておりますが、訓練を終え、どのような総括がなされるのでしょうか。

 今般の防災訓練には最新鋭機であるオスプレイも投入されました。危機管理の究極は安全保障であると思いますが、本市は自衛隊、そして米軍の基地を有する、日本の安全保障を支える町であります。そして本市の安心安全を担当するのが、防災危機管理局であります。

 さる8月5日、午前9時30分ごろ、小佐々町・世知原町・吉井町・江迎町・鹿町町・宇久町で「国民保護情報の訓練放送」が誤って放送されました。これまでに聞いたこともないようなサイレン音が吹鳴され、またこれまでに聞いたことのないような放送内容であったことから、私にも何件か電話での問い合わせがございました。私はその時「議会課題検討会」による、ペーパーレス会議の研修のため、数名の議員とともに鹿児島に向かう新幹線の中にありました。

 「ゲリラ攻撃発生とかの防災放送があったけど、何、それ」

そんな問い合わせに、私自身すぐに理解できず、防災危機管理局へ電話で問い合わせをし、またメールでことの仔細を伝えて頂く旨お願いした次第でありました。

かつて連合艦隊司令長官 東郷平八郎は、日露戦争から凱旋し、その総力戦としての連合艦隊の任務を解き平時編成に戻す連合艦隊解散式において、居並ぶ将兵に対し訓示を行いました。これはその後「連合艦隊解散の辞」と呼ばれ、世界の指導者が座右に置きまた将兵の指導書になったともいわれています。そこにこんな行があります。

「百発百中の砲は、一門よく百発一中、いうなれば百発打っても一発しか当らないような砲百門と対抗することができるのであって、この理に気づくなら、われわれ軍人は無形の実力の充実、即ち訓練に主点を置かなければならない」と述べ、平素の鍛練の重要性を訴えるとともに、「勝って兜の緒を締めよ」と、締めくくりました。訓練と平素の鍛練、そして危機意識・心構えが、肝要であると言う事です。

 私は、平常時に訓練放送が誤って放送された事は、非常時に緊急放送が誤って放送されない事と同じでは無いかとの危機意識を持ちました。そして私の一連の問い合わせに対する回答に危機意識を感じることが出来ませんでした。またこれは一担当職員のミスではなく、トラブルが発生した時、それを修正する組織的行動がないのではないか、そう感じました。そうした観点から、質問を行います。



問1)   まず、誤放送の内容と経緯についてご説明をお願いします。



問2)   Jアラートの緊急点検の依頼に対し、どのような体制で臨まれたかをお尋ねいたします。



問3)   誤放送後の対応についてお尋ねをいたします。

・誤放送が発生したことをどのような経緯で知ったのか。

・誤放送である旨の支所への連絡はどのように行ったのか。

・各支所住民からの問い合わせ件数、内容がどうであったかの調査を行ったか。



問4)   誤放送をした者が、誤放送の影響を判断し、その後の対応を行ったのではないですか。
危機を招いたものが、危機の度合いを判断するという事は、危機管理上適切でしょうか。



問5)   そもそもJアラートと防災行政無線の関係はどのようになっているかをお尋ねいたします。
 防災行政無線の管理・運用については「佐世保市防災行政無線管理運用規程」しかありません。
その中で放送の種類を「緊急放送」『普通放送』「試験放送」と制限列挙しています。
Jアラートについての記述はありませんが、Jアラートは緊急放送、すなわち非常災害時の緊急時に行う放送の一つとして考えるべきだと思われます。
この運用規程には緊急放送は消防局指令課が行うとされていますが、消防局指令課はこの点検にどのように関わりましたか。
 また平成28年2月17日付の「平成27年度国民保護計画修正(案)新旧対照表」によりますと、警報の内容の伝達方法の規定があります。ここに唯一Jアラートと防災行政無線とのかかわりがあります。担当部局は防災危機管理局となっています。

 自動起動ではあっても地方自治でありますので、地方自治体の防災行政無線で放送する以上は、地方自治体の権限と責任において位置づけをしなければならないのではないでしょうか。Jアラートが自動起動したならば、間違いなく放送が各スピーカーにおいて行われたか、消防局指令課は確認する必要があるのではないでしょうか。



問6)   Jアラートに対する防災危機管理局と消防局指令課との連携はどのようになっているのでしょうか。連携が不十分となれば、スイッチを切り忘れた個人のミスと言う事よりも、制度的組織的な対応に隙間があったと言うべきではないでしょうか。



問7)   放送設備に責任を持つ防災危機管理局の点検に、緊急放送に責任を持つ消防局指令課が立ち会う、つまり複数の目で、しかも役職的高さや複数の担当者の違う目で見る、対応する事が必要ではありませんか。



問8)   平常時に訓練放送が誤って放送されたことは、非常時に緊急放送が誤って放送されないことと同じ手順ではないかと思いますが、どのようにお考えですか。



問9)   防災行政無線は聞き取りにくいとの住民の声が多くあります。考えてみれば防災行政放送で内容を正確に伝達することは土台無理な事のようにも思います。
 先般も台風襲来での防災放送が頻繁に行われました。昨年冬の積雪による断水及び給水の連絡のための防災放送では市民の皆様が寒さのために家に閉じこもった状況で、防災放送が聞こえないとの苦情がございましたが、去る9月4日の放送では、思いがけず天気もさほど悪くはなく、屋外で多くの市民が防災放送を聞き、改めて、内容が聞き取り取り難いと苦情も多くありました。緊急情報の正確な伝達と言う事にどのような対策があるかお尋ねします。


問10)         緊急時はやはりラジオからの情報が有用であると思っていますが、江迎地区を始め、ラジオ電波が入りにくいラジオ難聴地区はほかにも市内に多数あると思いますので、その調査や改善策の検討もお願いしておきたいと思います。
 さて、今まで、8月5日に誤った防災行政無線の放送がなされたことを中心に質問をしてきましたが、その誤りにより見えてくるものがあります。一担当職員のミスの様で、実は組織や体制にその誤りの芽が潜んでいるのではないかと言う事です。
 平成24年8月の機構改革により、消防局内の防災対策課が市長部局の防災危機管理局となったと聞きました。その時に1名増員して、現在、7名体制ということです。消防局と組織が別になったことで、大きな器での人員の融通ができなくなり、一部に過度の業務がのしかかっていると言う事はないでしょうか。
 防災危機管理局は、災害から市民を守ることの中心となる部署です。「間違いました」ということが、もしかしたら、市民の生命にかかわる事態を生じさせる可能性もあります。
とはいえ、防災危機管理局の職員だけで本市の災害対策ができるとは思っておりません。やはり、消防局はもちろんのこと、市役所のほかの部署が協力・連携して災害対策を行ってこそ、佐世保市民の安全が確保されるものと考えます。最終責任者は市長であります。市長のご所見を伺います。

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