2017年9月29日金曜日

学校の働き方改革③

問4)
現状の先生方の勤務状態の把握で、先生方への個別指導は行われていますか。
  
教育長 回答4)
 教職員の勤務状態につきましては、先に述べた出退勤記録簿の状況並びに、年間3回、管理職による個別面談を実施しており、その中で教職員の勤務状態の実態の把握と併せて、職内容や健康状態等の管理・指導を行っております。
なお、月に100時間を超える超過勤務の状態にある教職員等、健康指導が必要な教職員については、労働安全衛生法66条の定めにより、本人からの申し出に基づいて医師の面接指導を受けることになっております。
昨年度の本市における100時間越えの状況といたしましては、小学校は5名、中学校は551名です。その内、面接指導を受けたものは0名となっております。


 長時間労働が深刻な教員の働き方改革を議論している中教審の特別部会が、学校へのタイムカードや留守電の設置、部活動の休養日の設定など、勤務時間の管理徹底を図る事を提言するとの新聞記事がありました。勤務時間管理は労働法上、校長や教育委員会に求められる責務であり、自己申告ではなく客観的に把握しなければならないとされています。

問5)
そこで私は教育委員会で各先生方の仕事状況を一元的に取りまとめ、分析し属性を調べ、対策を講じるべきと考える。例えば、学校の規模、地域、学年別、教師の年代、管理者としての校長において特徴的な事など、いかがでしょうか。

教育長 回答5)
 議員ご指摘の教育委員会で各先生方の仕事の状況を一元的に取りまとめ、分析し属性を調べ、対策を講じるべきとの議員ご指摘に関しましては、教育委員会としてもその必要性は十分認識しておりますが、新たな調査については現在考えておりません。
なお、現時点では、各校から報告を受けております出退勤記録からの分析をもって、本市の状況を把握しており、平成27年度及び28年度の状況について申し上げます。
平成27年度の本市における100時間越えの状況といたしましては、教職員1472名中、小学校はのべ0名、中学校はのべ602名となっております。その内、面接指導を受けたものは0名となっております。
男女別には、男性のべ422名、女性のべ186名。月別には、4月がのべ96名、5月がのべ100名となっており、1年間の中では、年度当初の出現数が高い状況となっております。
平成28年度の本市における100時間越えの状況といたしましては、教職員1457名中、小学校はのべ5名、中学校はのべ551名となっております。その内、面接指導を受けたものは0名となっております。
男女別には、男性のべ400名、女性のべ156名。月別には、4月がのべ104名、5月がのべ92名となっており、1年間の中では、年度当初の出現数が高い状況となっております。

 また、両年度共、小中共に大規模校に出現数が多い傾向が認められますが、学校経営の形態や学校が位置する地域性からは、特に特徴的な傾向は認められない状況となっております。

コメント
 全国的には、個人情報保護の観点から学校外への資料の持ち出しが禁止され場合もあるようです。自宅での仕事ができず、学校でしか仕事ができないとすれば、先生方にとって良くなるのかどうなのか、慎重な検討が必要であると思います。
民間企業では資本主義の自由競争のメカニズムで落ち着きどころに落ち着いていきます。例えば残業が増えれば残業代としての人件費がかさみ競争力をなくします。残業は減らす方向に働き方改革が進みます。残業賃を払わない残業、いわゆるサービス残業を強いればブラック職場となってしまい、その事で一時的に企業収益を上げてもその企業や商品・サービスのブランドイメージが既存され、また労働力の補充もできなくなり、結果働き方を改革するか、市場から淘汰されることとなります。
学校の先生方の働き方は、給特法と教師としての矜持が相まって、持ち帰り仕事が深夜にも及び、学期末などは机にうつ伏して朝を迎える事が侵すべからざる神聖な儀式のようでもあり、むしろ当事者の不満などはないのかもしれません。学校の働き方改革は、階級闘争をベースとした労使の対決では進みません。先進地においてはIT化し、グループウェアを導入し授業以外の部分を工夫したり、補助員を増やしたりの改革が進められています。中教審答申などで全国的に進み始めてから様子を見て、と言う事ではなく教育長自ら感じ、動き始めて頂きたい。

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